ビジネスシーンではよく「上座」とか「下座」という言葉を聞きますよね。
この席次のマナー、みなさんはいつからあるのか気になったことはありませんか?
実際に調べてみると、その起源は思いのほか意外なところにありました。
実は「床の間」が起源だった!
今からおよそ600年の昔。室町時代に成立した住居の様式である書院造(しょいんづくり)に床の間は登場します。
上の写真がその住宅様式であり、現代にも見ることのできる間取りですね。
立派な日本の文化です。
写真中の掛け軸のかかっている一段高いスペースが床の間です。
ご存知でしたか?
なんでも昔の寺の僧侶が勉強するための部屋(書院という本を読む机付き)が源流で、その部屋の中には「仏画」や「神号」をかけるスペースがあり、それに対する供え物として自然に花瓶や香炉などを置くようになったようで、供え物を畳の上に置くわけにはいけないということで板を敷いたのが始まりとのことらしいです。
この板を押板といい、これが固定されて備え付けになったものが「床の間」というわけです。
ではこの「床の間」…どのようにして上座と下座に繋がってくるのでしょうか?
床の間は他の間よりも一段高い上段
床の間には神聖なものを置くし、一段高い場所でもある。
ということで、権威の象徴とも言える床の間の側に座ることができる(神聖なものに背を向けられる)のは偉い人か、もてなす客くらいだったようです。
あるいはそういった神聖で、落ち着いた場所に座って欲しい人が、身分の高い人や訪ねてきてくれた人たちだったのですね。
そう、これが「上座」の起源です。そしてその反対側が「下座」というわけです。
偉い人に当然のように座ってもらったり、来客をもてなしたり、より良い気分で迎えるために、一段高い側に座ってもらうための上座。
この考えが「床の間」ともども何百年もの時を超えて現代にまで受け継がれていると思うとロマンを感じませんか?
マナーって何も考えずに「ちゃんと身につけなければ…!」という気になってしまいますが、
このようにおもてなしや思いやりの心に根ざした文化的な背景もあるのだと思うと少し印象が変わりますね!
そんな日本の文化はビジネスマナーにまで受け継がれています。
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